このたび、私、冨田洋は、令和3年7月1日をもって代表取締役社長を退任し、代表取締役会長に就任いたしました。
弊社は、私が起業してから30年ほどで大きく成長し、まさに今も成長し続けています。どうして弊社は成長し続けることができているのか。成長を止めてしまうのは、既存のルールや固定概念が大きな要因だと思っています。だから私たちは、自由に発想することや、好きなことを突き詰めることをとても大事にしています。
弊社の技術が生まれた背景にも、純粋な好奇心と枠をはみ出た発想がありました。米国でマイクロ波技術と出会い、ハマってしまったんです。目には見えないマイクロ波が地中に埋まった見えないものとぶつかって、それを可視化する。見えないはずのものが透けるように見えてくるのです。私は「おもしろい!」と思いました。
そこからは、ただ純粋におもしろいものを研究し続けてきた、それだけです。
そうしていたら、ある時、国連の方から声がかかりました。「その技術で地雷除去を手伝ってもらえないか?」と。私がおもしろいと思って研究してきた技術が、誰かを救う手助けになる。これほど嬉しいことはありません。
カンボジア・タイでの地雷除去活動を経て、現在は独自開発した世界で唯一の「スケルカ(透ける化)」技術を用いて、道路・港湾・空港施設等の路面下に発生した空洞や、埋設物の正確な位置情報を把握したり、橋梁等のコンクリート構造物内部の劣化箇所を発見するなど、日々リスクが高まるインフラの老朽化に向き合い、インフラ内部に潜む見えない危険を探知し、被害を未然に防いでいます。
時代と環境に合わせ、事業内容が変わっても、私たちの根幹にある命と暮らしを守るという想いは当時から変わっていません。好奇心から純粋に楽しんで研究開発してきた技術が、人々の命と暮らしを守ることにつながったのです。私は、これこそが私のやるべき責務だと信じています。
地球上で暮らす人類は、常に災害のリスクと隣り合わせです。私たちは災害による被害を減らしていくため、これからさらに事業を展開し、提供価値を広げていきたいと考えています。無電柱化への取り組みもその一つです。また日本以外にも、私たちの技術で救える人たちはたくさんいますから、海外への進出も積極的に進めていきます。そして地下を可視化するこの技術は、他業種他業界の知識や技術、リソースと掛け合わさることで、もっと大きな価値を生み出すことは間違いありません。
地中は人類にとって新しいフロンティアなのです。地下に眠る、目には見えない真価に気づくことで、きっと私たちはさらなる進化を遂げることができるはずです。
私たちの技術に興味を持って下さった方、ともに挑戦をしたい方、是非ジオ・サーチにお声がけください。
冨田の後任として、ジオ・サーチ株式会社の代表取締役社長に就任いたしました雑賀でございます。このたび弊社は、ここからさらに大きく事業を展開していくため社内で新体制を築く運びとなりました。
地下に眠る空洞や埋設物を探知するという私たちの仕事は、見えないものを扱うゆえにまだ世間の認知度は高くありません。しかし、2011年の東日本大震災という大きな災害をきっかけに、減災活動の重要性は国が強く認識するところとなりました。そして近年は、私たちが持つ地下の情報が、減災活動に加えて、インフラの老朽化対策も加速させる、インフラ工事の迅速化・低コスト化等にも有用であることに気づいてくれるインフラオーナーが増えてきています。地下のみではなく、道路、橋などのインフラも、弊社の技術を使えばその内部を透視できるのです。
ジオ・サーチの強みは技術だけではありません。災害、事故が起これば日本全国どこでも緊急出動してきた私たちには、他には負けない現場力と人の役に立ちたいというカルチャーがあります。こういった強みによって、今後の展開にも臨機応変に対応していく所存です。
私たちのつくりあげてきたこの分野では、日本から世界に技術を輸出することができます。世界には、まだ「スケルカ」を使って見ていない場所の方が多いですから、私たちはこれからできることの幅を広げ、世界中に貢献していけることに対し、とてもワクワクしています。
さらに現在、デジタル技術をかけ合わせ、地下情報を3D化し地上情報とつなげた「DUOMAP」にも世界中から注目が集まっています。
私たちは、弊社の技術と知識を応用し、ともに新しいことに挑戦してくれる仲間を常に募集しています。地下に目を向けることで、新たな可能性に気づくことがきっとあるはずです。私たちの想いに共感してくれる仲間たちと力を合わせ、オープンイノベーションでサービスを広げながら、社会にまだ見ぬ価値を生み出していきたい、そう強く思っています。
新体制となったジオ・サーチに、どうぞご期待ください。