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2017年10月4日

慶應義塾大学貢献工学・減災学講座2017年度 第1回講義が開催されました


2017年10月4日(水)慶應義塾大学理工学部矢上キャンパスにおいて、本年度がファイナルシーズンとなる3年目の「貢献工学・減災学」が開講しました。本年度第一回講義に弊社社長・冨田洋が登壇し、「貢献工学・減災学 創造への期待 ~災害に強くしなやかな社会づくりのために~」をテーマに講演を行いました。



本講座の履修登録者は、初年度150名→2年目220名→最終年度となる本年度は290名へと毎年増加し有数の人気講座となりました。300名を収容できる大教室も学生の皆さんでほぼ満席となりました。


今年度講座のプロローグとして、今回は人の本能としての貢献心や技術者としての倫理観の重要性、さらに減災への取り組みに向けて当社が世界で初めて開発した「地下インフラ3Dマップ」を紹介するとともに、学生の皆さんが将来「人の命と暮らしを守る」ための多様なビジネス機会に挑戦し活躍されることへの期待がメッセージとして送られました。
講義終了後には活発な質疑も交わされ、最終年度となる今年度も熱気あふれる講座がスタートしました。

学生の皆さんからいただいた主な感想や意見(抜粋)

・講演の中で最も感銘を受けたのは、空洞探査システムを地雷探査技術に応用した事だ。社会に貢献する技術が被災者、被害者に貢献する技術に生まれ変わる。これは正に本授業における最大のテーマだと感じた。貢献とは社会という大きな集団だけに問わず個人レベルが幸せになる人の営みである。世にある会社のほとんどは金稼ぎのために商品を開発し、営業、売り込みを行っている。また会社だけでなく政治家なども自らが所属する政党の保身や利益のみを考えているように感じていた。しかし冨田さんの事業は人の助け合いや幸せを軸においており、そのために金を使う事をためらっていなかった。全ては貢献のため、活動の源をそこに置いてある講演は感動的であった。

・今回の講演を聴いて、減災に役立てている技術とその人間性に大きく感銘を受けた。路面下探査の技術を対人地雷の除去という全くお金にならない活動に利用し、それが人命救助(予防といったほうが適切であるが)、世界遺産へ登録される寺院の安全化へとつながっている功績は極めて重大なものであると考えた。こうした活動へのモチベーションが「貢献心は本能だ」という言葉に集約されていることも講演を通して理解した。この技術は現在、地中埋設物の調査にも活用されており、世界中のどのシステムよりも精度が高く、かつ地上と地中の両方でシミュレーションができるという大変画期的なものであることがわかり驚いた。こうした技術を単に社会の利益だけに用いるのではなく、人々の暮らしの向上のため社会における減災・防災に貢献するために利用している点には大きな感銘を受けた。

・自分は出身地が福島県であり、東日本大震災の当時はまだ福島に住んでいたので、ガスや水道といったライフラインが早く復旧することが、被災した人々にとってどれだけの救いになるのかを痛感したので、減災によってライフラインへのダメージを減らす、もしくはその回復を早めることができるようにしておく技術は、もっと全国の自治体が積極的に取り入れていくべきなのではないかと思った。また、地上と地下の3Dマッピングを用いて無電柱化を進める計画があるということだったが、電柱が地上に無ければ雷による停電のリスクも少しは減ると考えられるし、切れてしまった電線による感電の心配もしなくて良くなるだろうと考えられるので、こちらの計画もぜひ積極的に推進していって欲しいと感じた。

・全体を通して感じたこととしては、貢献するということが測りしれないパワーを持っているということです。地雷探知機はとても難しい技術であり、初めは到底できそうもない困難なことだったと思います。貢献工学の基本である、人に貢献したいという気持ちが原動力になり、偉大なことを成し遂げることが出来たのだろうと感じました。冨田氏が減災、貢献工学などにここまで成果を出せたのは、自分のためではなく、人のため誰かのために技術をつくるという情熱が重要であると思いました。また、地震や台風などの災害大国である日本だからこそ、人助け、命を守るという本能、貢献工学を学ぶべきであると思いました。

・起業家としてのパワー、凄さをひしひしと感じることができた講演だった。私自身、将来的に事業の立ち上げや起業を志しているため、成功していらっしゃる起業家の生の意見、生き様、苦労や成功体験を聞くことができたのはとてもよかった。圧倒的な課題意識からくる当事者意識、飽くなき成功への想い、妥協を一切しないこだわりの強さ、全てにおいて頭が抜けていて、だからこそ成功されたのかなと感じた。「助け合う気持ち」の大切さは自分にとって足りないモノだと感じ、これから精進しなければと思った。また、コネクションの大切さを知った。冨田さん自身も会社でたくさん大学時代の友達と助け合っていると聞き、これから出会う人々との「つながり」を大切にしようと感じた。私は来年4月に会社に入るが、冨田さんのように当事者意識や課題意識を忘れずに、社会と向き合いたいなと感じた。そしていつか冨田さんのように、慶應にも何かしらの恩返しをしたいと感じた。

以 上