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2016年11月9日

慶應義塾大学貢献工学講座2016年度 第3回講義が開催されました


11月2日に開催した慶應義塾大学理工学部「貢献工学」第3回講義では、積極的に社会貢献活動を展開している城南信用金庫(http://www.jsbank.co.jp/)前理事長で相談役の吉原毅様をお招きしご講演いただきました。


城南信用金庫様における様々な社会貢献活動をご紹介いただくとともに、経営の目的とステークホルダーの関係、金融の視点、ダイバーシティ、原発問題など、幅広く社会問題に切り込みながら、物事の本質を考えることの重要性についてお話をいただきました。 「イデオロギーではなく、人として何が正しいことなのか?情報の真偽を判断することができるよう、勉強することがとても大切である。」と学生の皆さんにメッセージをいただきました。




経済の要である金融機関の重鎮から、普段ではなかなか聞くことのできない社会や経営について核心に迫るお話を聞くことができた学生の皆さんにとって、大きな刺激となったのではないでしょうか。 ご講演の終了後には活発な質疑も交わされ、満員の教室が活気に溢れていました。


学生の皆さんからいただいた主な感想や意見(抜粋)

・今回の講義は、自分の価値観を変える非常に重要な講義でした。私はこの講義を受けるまで、NPO法人のような団体でない限り、企業は存続することを第一に考え、利益を上げるためには何でもするものだと考えていました。また、個人としても収入が多いほど勝ち組となり、会社には給料をもらうために勤めるものだと考えていました。しかし、講義を受け、誰かのため世のために働き行動を起こすことがどれだけ大切なのかという事を知ることができました。

・「企業は社会貢献のために存在している」ということがとても心に残った。また、人と人とのつながりの大切さということに対しての熱い思い、お話を聞くことができた。 経営者が行う事象が消費者目線であるか否かが、経営が成功するカギなのだと感じた。消費者目線であるということは、社会の為に貢献するという事とほぼ同義であり、そこで消費者が経営者側に伝えてくれる感謝の弁などは、更なる社会貢献へのモチベーションになり、更に貢献が生まれるという考え方をすれば、やはりまずは消費者のために社会のためにという考えが重要であると考えた。

・「創業者が人のためにと考えた理念が、利益のために薄れてしまっていく」という吉原さんの言葉に私は大きく頭を縦に振りたい。近年ベンチャー企業を立ち上げる人は増えており、社会貢献のための強いモチベーションと尊敬に値するほどの大きな野心にはいつも感心する。しかし、立ち上げただけでは成功とはいえない。目先の利益や数字に目がくらみ、創業当初に持っていた理念が薄れてしまっている様では、その企業の先は長くはないのではないだろうか。利益を第一に考えて起業すると、困難に直面したときに乗り越えようとするモチベーションがなくなってしまい、結果潰れてしまう。一方で人のためにと思って働けば自分個人の利益の問題ではなくなるので、モチベーションが違ってくる。その結果が成功となり報酬にもつながるのではないか。

・吉原さんは原発反対であると言っていたが、私は原発に賛成である。日本の技術力は世界でもトップクラスであり、これを活かして安全な原発にすることができるのではないかと思う。そのために死に物狂いで働いて原発を作り上げてきたエンジニアもいる。

・私も原発には反対です。今回の福島の事故では偏西風によって被害が軽減されていたことを知ったが、一方で、故郷という掛け替えのないものを多くの方から奪ってしまった事実を考えると、原発を保持し続けることは多大なリスクを背負うことになる。風力発電や太陽光発電で多くの電力を発電することができ、なおかつコストも安ければ、原発に頼る必要はないと思います。

・総理大臣や経営者も多くの場合で周りに騙されて方針を誤ることがあるという事だった。確かにそういう事例も多いように感じる昨今である。自分がどのような立場にあっても、自ら調べることや学習を怠らないことが大切であると改めて感じた。 また、変化をしないことは後退だという事を最後に言われていた。これまで上手くいってきたことを更に変化させることは勇気のいる事だけれども、それをしないと今より前に進めない。組織を大きくするためには一番大切な事であり、リスクを含んでいてもトライしないといけないことだと思った。これは個人にも当てはまることなので、勇気をもってやっていきたい。

以上