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慶應義塾大学貢献工学講座

慶應義塾大学貢献工学講座2016年度 第5回講義が開催されました

12月21日(水)に第5回目の貢献工学講座が開催され、衆議院議員で前防災担当大臣の河野太郎様にご講演いただきました。

本年4月14日に震度7を記録した熊本地震の発災後、当時の防災担当大臣として指揮した非常災害対策本部での対応について、普段では聞くことのできない臨場感のあるお話に、学生の皆さんは真剣に聞き入っていました。


さらに、近い将来に大津波を伴って起こるであろう南海トラフ巨大地震や30年以内に70%の確率で発生することが予想されている首都圏直下型地震、また、近年急増している水害リスクなど、様々な被災シミュレーションを踏まえ、被害を最小限に抑えるための事前対策について、大変多くの示唆に富んだお話をいただきました。


講義終了後も活発な質疑が行われ、巨大災害を踏まえた首都圏一極集中への政府の対応など、学生からの核心を突く質問に対し、一つひとつ丁寧にご説明頂きました。
現役の衆議院議員であり閣僚経験者の講話に、学生の皆さんは得るものが多かったのではないでしょうか。


学生の皆さんからいただいた主な感想や意見(抜粋)

・熊本地震の際に河野防災担当大臣がどのように行動し、どのように対策を立てたのかがリアルに伝わってきて、とても興味深い講演であった。特に、食事中に地震が発生した際、友達に支払いを任せ、急いで対策本部に向かう状況がリアルに伝わってきた。 「公共政策の科学」の授業では、日本は橋を一つ建設するにしても多くの省庁が関わらなければならず、承認などに時間が多くかかることを聞いた。しかし、熊本地震では、河野防災担当大臣によって早急な行動が必要な震災支援、救助の場面で多くの省庁の人々と現地での迅速な対応ができたことはとてもすごいことであると思った。

・河野さんの講話の中で「やめるべきことを決めた」というお話がありました。各大臣の現地視察やTwitterによる調査をやめることで、職員の方たちが本当に災害地の役に立つことだけに集中できるようになりました。この「やめる」ということは、生産性の向上に大きく貢献する非常に重要なことであると私自身は感じています。多くの人は、「やめるべきかもしれないけれど、万が一のとき責任はもてない」「やめる勇気がない」という理由で、現状維持もしくは仕事を増やしてしまいがちですが、それでは本来無駄な仕事に時間がとられ、重要である仕事が中途半端になってしまいます。まして災害時のようなスピードが求められる状況下では、無駄なことは勇気をもって全て捨て、本当に重要なことだけを短時間で行う必要があると思います。河野さんは、責任は全て自分がとるという覚悟を皆に伝え、被災地のためにすべきことに集中することで貢献されたことは素晴らしいと感じました。

・災害意識が低いと指摘された我々もまた、姿勢を変えていく必要があるのは明白で耳が痛いところである。市民側が政府の支援に対して受け身で居続けてはいけない、というのは確かにその通りで、市民にとっても政府にとっても基本的に不利益を生み出すだけの災害には、積極的な対策による防災や支援、復興に挑むべきだと感じた。また、火災報知機の設置や感震ブレーカーの推進など、それなりに施策を取ってきている国や地方自治体に対してあまり傲慢であってはならないと感じており、財源は有限である税金からまかなわれている以上、どうしても頼らざる得ない部分を除いて、自己で対策できる部分は各個人で備え、自分達で自分の身を守るという心構えが必要であると感じた。まずは、まだ用意できていない3日分の食料と簡易トイレを買うことからはじめたい。

・防災意識以上に自身の立ち位置について考えさせられました。講演内で取り上げられた荒川区の例では、中学生でさえ“助ける側”であるという認識を持っているという。それならば身体的にも精神的にもより成長している自分達大学生は言うまでもないだろう。実際多くのことができるだろうが、今までそのようなことを考えたことはありませんでした。これまでの講義を聞いて工学を通してどのような場面でどのように貢献していくか、新しい技術や知識をどう活かしていくかについて自分なりに少しは考えてきたつもりであったが、それ以上に重要なことに気付かされたように思いました。

・理系を学ぶ自分としては、解析の重要性を再認識した。国が多くの震災を予測し、その被害の規模を見て対策する。これを行うには多くの要素を解析し、より高度で正しい予測が必要となる。具体的な予想で言えば南海トラフ地震が例に出た。この地震の被害予想は死者23万人であるが、具体的な対策をすればこの人数は激減する。例えば、津波を想定した避難タワーの建設の事例があったが、これもかなりの精度が要求される。津波の高さやその力、発生から到達までの力、他にも地域住人の多さからキャパシティや効率のいい配置など、人を助ける為の指針を出すのは政府であるが、それを支える技術を提供するのは、自分達、理系の人間であるという責任感を感じた。人を助ける技術の提供こそ我々が学んでいる貢献工学そのものである。

以 上